ブラックフライデーは、日本でも年末商戦を代表する買い物イベントの一つとして定着しつつあります。
ブラックフライデーの存在感が高まるなか、消費者行動にも変化が見られます。商品を検討し始めるタイミングや購入に至るまでの期間、利用するデバイス、購入する商品など、その行動は一様ではありません。
こうした消費者行動を踏まえ、2026年のブラックフライデーに向けて、マーケターは何を押さえておくべきなのでしょうか。
Criteoの「データで見る 日本のブラックフライデー商戦」では、Criteo のリテールパートナーから集約した実際の取引データをもとに、2025年の日本におけるブラックフライデーと、ブラックフライデーを含む6日間の「サイバー6」における消費者行動を分析しました。
今回は、そのデータから見えてきた5つのインサイトをご紹介します。
インサイト1:需要のピークはブラックフライデー当日だけに集中しない

ブラックフライデーと聞くと、セール当日である金曜日に需要が集中するイメージを持つかもしれません。
しかし、日本では「サイバー6」の期間を通じて、購買活動が活発になっています。2025年10月の最初の4週間と比較すると、サイバー6のピーク時には、収益が47%、取引件数が31%、トラフィックが16%増加しました。また、活動のピークはサイバーマンデーを迎える前に訪れています。
つまり、ブラックフライデー商戦は当日だけを見ていては十分ではありません。10月から徐々に消費者との接点をつくり、検討が進むにつれてメッセージや予算配分を変えながら、ブラックフライデーからサイバー6までを一つの期間として設計することが求められます。
インサイト2:ブラックフライデーは新規顧客を増やすチャンス

ブラックフライデーは、既存顧客からの売上を伸ばすだけでなく、新しい顧客と接点を持つ機会でもあります。日本のリテーラーでは、10月初旬と比べて11月下旬に新規購入者が増加し、ブラックフライデー前後には約2倍の水準に達しました。
さらに、ブラックフライデー当日に初めてそのリテーラーで購入した人が購入者全体に占める割合も10月最初の4週間の1日平均を0.6ポイント上回っています。大型セールをきっかけに、これまでそのリテーラーを利用していなかった人が、初めて購入する機会が増えていることがうかがえます。
そのため、ブラックフライデー施策を短期的な売上や ROAS だけで評価するのではなく、新規購入者数や新規顧客の割合、その後の再購入まで見据えて設計することもポイントになります。
インサイト3:ブラックフライデーの需要は日常的な商品にも広がる

ブラックフライデーで注目されるのは、家電などの高額商品だけではありません。日本では、食品や日用品など、普段の生活で購入する商品にも需要が広がっています。
2025年のブラックフライデー当日の取引件数を前年と比較すると、主要なリテール区分はいずれも前年を上回りました。なかでも最も大きく伸びたのが「百貨店·マーケットプレイス」の18%増で、「食品·日用品」が12%増で続きました。ブラックフライデーが「特別な買い物」のためだけではなく、日々の出費を抑えながら賢く買い物をする機会としても利用されていることがうかがえます。
マーケターにとっては、高額商品だけに目を向けるのではなく、食品や日用品を含め、普段の生活で購入される商品の需要も視野に入れてプロモーションや在庫を設計することが大切です。
インサイト4:アプリを除くオンライン売上の約6割がモバイル経由

消費者が「どこで買うか」だけでなく、「どのデバイスで買うか」にも変化が表れています。
日本のサイバー6期間におけるモバイル経由の売上の割合は、2024年の52%から2025年には59%へと7ポイント上昇しました。オンライン売上の約6割がモバイル経由となり、スマートフォンが商品を探すための接点だけでなく、実際に購入を完了する場としても存在感を増しています。だからこそ、広告クリエイティブだけをモバイル向けにするのでは不十分です。
商品ページの見やすさ、読み込み速度、在庫情報、決済フローまで含め、広告を見てから購入を完了するまでの体験全体をモバイル前提で見直すことが、ブラックフライデー商戦では欠かせなくなっています。
インサイト5:購入のタイミングは「じっくり検討派」と「直前派」に二極化

ブラックフライデーで購入する人は、いつから商品を探し始めているのでしょうか。
日本では、その答えは一つではありません。
2025年のブラックフライデー週末に購入した人を見ると、購入まで最も時間をかけた上位25%は、購入のおよそ76日前から情報収集を始めていました。全体平均でも、購入の26日前から検討が始まっています。その一方で、検討期間が最も短かった25%は、購入のわずか21分前に情報収集を始めていました。
つまり、日本のブラックフライデー市場には、数週間から数カ月かけて商品を比較する人と、セール直前に短時間で購入を決める人が同時に存在しています。
長期検討層には、早い段階から商品の違いやレビュー、ブランドの価値を伝える。一方、購入直前の消費者には、価格や在庫、配送条件など、その場で判断するために必要な情報を分かりやすく届ける。消費者の検討状況に合わせて、伝える内容やタイミングを変えることがポイントになります。
ブラックフライデーは1日から長期商戦へ
今回のデータから見えてきたのは、日本のブラックフライデー商戦が、セール当日の値引きだけでは捉えきれなくなっていることです。
需要はサイバー6を通じて高まり、新規顧客が増え、食品や日用品にも買い物が広がっています。さらに、モバイル経由の売上割合が高まる一方で、購入までの検討期間には大きな幅があります。
だからこそ、2026年のブラックフライデーでは、セール当日の施策だけを考えるのではなく、消費者が商品を探し始めるタイミングから購入、その後の関係づくりまでを一つの流れとして考える必要があります。
「データで見る日本のブラックフライデー商戦」では、今回ご紹介したインサイトに加え、第4四半期やサイバー6のリテール動向、複数のリテーラーを比較する消費者の行動、2026年のマーケティング施策に活用できる具体的なアクションも紹介しています。
2026年のブラックフライデー戦略に役立つインサイトをぜひフルレポートでご確認ください!




