アプリリターゲティング:その仕組みと重要性とは?

現在、多くの企業が自社アプリを経由した販売促進のためのマーケティング戦略を推進していますが、この戦略が功を奏するかどうかは、ひとえにユーザにアプリを使ってもらえるかどうかにかかっています。しかしアプリをインストールした多くのユーザはほどなく離反しており、彼らを再び呼び戻すことは非常に難しいのが現実です。

こうした課題の解決に役立つのが、アプリリターゲティングです。SNSでアプリをダウンロードしたユーザをターゲティングし、エンゲージを持続することによって、アプリの利用率を安定させることができます。小売業者やブランドにとって、自社のアプリは間違いなく、コンバージョンの促進に欠かせない重要なツールの1つです。

米国では、モバイルでの売上の71%はアプリを経由した販売であり、またショッピングアプリを導入している広告主は、モバイルからの取引の68%をアプリから生み出しています。

通常、モバイルアプリユーザが閲覧し、ショッピングカートに追加する商品が増えれば増えるほどコンバージョンに至る確率は高くなります。さらに、モバイルアプリ内の商品ページビューに対するコンバージョン率は、モバイルサイトの3倍に上ります。つまり、アプリリターゲティングの活用は買物客とのつながりの強化だけでなく、より高いコンバージョンを実現するためのチャンスをも生み出しているということです。

では本題に戻って、アプリリターゲティングはなぜそんなに重要なのか、その理由を探ってみましょう。

アプリリターゲティングの課題

モバイルマーケターは、多くの時間と予算をアプリ経由での販売促進に費やしています。場合によっては、アプリのダウンロードを促すために多額の予算が組まれることもあります。その理由は、アプリは価値の高いユーザを惹きつけ、彼らとのエンゲージメントを構築するのに有効なツールであることを、モバイルマーケターは知っているからです。

それでもなお、インストール後のアプリの利用率は低下する傾向があります。Localyticsのレポートでは、4人に1人がアプリを1回利用してしまうと、それ以上利用しなくなることが明らかになりました。

つまり、アプリをダウンロードしたユーザとのエンゲージメントを持続させるために何らかの戦略を施さない限り、インストール後の利用率の低下は避けられないということです。ユーザに使われなくなったアプリは、価値の高いユーザを惹きつけるどころか、最後にはゴミ箱に捨てられてしまう運命にあります。アプリに魅力を感じなくなったユーザの離反はインストールした後すぐに始まり、実際、7日後にアプリを使っているのは10人中でわずか1人だけという報告さえあります。

どんなに素晴らしいアプリであっても、ユーザに忘れられてしまってはその開発や導入に費やした努力はすべて水の泡となります。こうした課題の解決に有効なのが、アプリ広告のテクノロジーです。

アプリリターゲティングの仕組み

たとえば、キムさんという人が大人2名で1泊できるダブルルームのホテルをサンフランシスコで探しているとします。

キムさんがアプリを閲覧することによって、目的とするデータを各イベントレベルで取得することができます。キムさんはひと通りのアプリを閲覧しますが、途中でホテル予約のことが頭から離れ、ゲームアプリで遊び始めます。もし、このゲームアプリがリターゲティングパートナーのパブリッシャーネットワークの一部であれば、リターゲティングのプロセスはリアルタイムで継続されます。

このプロセスにおいては、キムさんの購入意思を計算し、広告の表示回数に関する取引、おすすめ商品の選定、広告デザインの最適化などがすべてリアルタイムで行われます。こうしてキムさんに表示される広告には、すでに閲覧したホテルに加えて、まだ閲覧していない宿泊施設の空室状況や価格も表示されます。

そして、キムさんが広告をクリックすると、予約の完了を促すためにアプリのページに戻る仕組みになっています。

大規模なネットワークを活かしたCriteoのアプリ広告

出典:1400万人のアプリユーザのサンプルを対象に、アプリ広告が表示されたユーザと表示されないユーザの行動を比較したCriteoの調査

Criteoダイナミックリターゲティングによるアプリ広告は、アプリユーザとリエンゲージすることで、最も価値の高いユーザとのつながりを維持できるように設計・構築されています。

Criteoが独自に開発したアプリ広告は、A/Bテストによる直接比較で勝率90%以上を誇る、Criteoダイナミックリターゲティング・エンジンを活用しています。Criteoアプリ広告活用のメリットを以下にご紹介します。

  • 購入意思を的確に把握

Criteoのアイデンティティグラフにより、買物客の閲覧行動をデバイス、ブラウザ、55万のアプリを横断して、あらゆる角度からリアルタイムに把握できます。つまり、これらのモバイル環境で広告を提供することにより、購入を完結させるためにユーザをアプリに呼び戻すことができるのです。Criteoは独自の手法で2つ以上のデバイスを使用するユーザを匿名で識別しており、これによって得られる売上は全売上の40%以上を占めています。

  • ユーザをより強力に惹きつける商品のレコメンド

関連度の高い商品で顧客を惹きつけ、過去に閲覧した商品だけでなく、自社の商品カタログの中から新しい商品を提案します。Criteoダイナミックリターゲティングでは、販売取引の28%以上が新しい商品を提案した結果によるものです。

  • 卓越した広告パフォーマンス

CriteoダイナミックリターゲティングとDynamic Creative Optimization+のパワーを活用したCriteoアプリ広告は、ブランド性を重視しながらもユーザ1人ひとりにあわせてダイナミックかつリアルタイムに広告を生成し、表示することができます。さまざまなビジュアル要素を動的に組み合わせ、またサイズに応じてシームレスに拡張可能な広告で買物客を惹きつけます。

ここでは、アプリ広告の活用によって大きなメリットが得られた事例をご紹介します。

アプリ広告のサクセスストーリー

CheapoAir

世界で最も有名な旅行サイトの1つであるCheapOairは、Experian Hitwise社のオンライン旅行代理店トップ5に常にランクインしています。

課題

CheapOairが、競争の激しいディスカウント旅行の分野でトップの座を維持するためには、買物客のショッピングジャーニーの重要な瞬間を確実に捉えなければいけません。そのためにも、モバイルデバイスのアプリ内で消費者にリーチし、彼らを着実に顧客化していくことが、ますます重要になっています。

ソリューション

同社はCriteoダイナミックリターゲティングの機能とリーチ力を利用したアプリ広告を最大限に活用することによって、モバイルによるパフォーマンスマーケティングの効率性とスケールの両方を継続的に改善することに成功しました。

成果

アプリ広告を導入からわずか2か月で、CheapOairはiPhoneのプラットフォームで次のような成果を達成しました。

La Moda

約200万人のアクティブな顧客を抱えるLa modaは、ロシア最大のオンラインファッション小売業者として知られ、同社が取り扱うブランドは約1000にも上ります。

課題

La modaは、アプリをダウンロードしたユーザが数カ月後あるいは数週間後に、アプリを使用する頻度が低下することに気づきました。そこで、価値の高い顧客のアプリ利用を回復させるとともに、彼らの利用率を維持し、テクノロジー投資のROIを改善したいと考えました。

ソリューション

Criteoは、アプリ内パフォーマンスマーケティングにおいて業界トップを誇るテクノロジーを活用して、La modaのモバイルアプリをダウンロードしたものの離反してしまったユーザの過去の閲覧行動をもとに、関連性の高いメッセージを作成・表示して、同社がこれらのユーザと再びエンゲージできるようにしました。また、関連するさまざまなモバイルアプリを通じて、同社の商品への関心を呼び戻すための広告を提供しました。

成果

こうした取り組みの結果、La modaは高価値なアプリユーザによるコンバージョンを推進し、まだ他の広告チャネルが開拓していない消費者にリーチできるようになりました。このアプリ内広告キャンペーンによって、同社は高いコンバージョン率とカート投入率、さらには売上増加を実現しています。

Trendyol

ComScoreによると、トルコの人気オンラインファッション小売業者であるTrendyolのECサイトには、毎月400万人以上のユーザがアクセスしています。同社は市場に先駆けて、モバイルアプリを通じた最高のユーザ体験の提供にフォーカスした戦略に取り組んでいます。

課題

Trendyolでは、アプリユーザに優れた体験を提供するとともに、アプリ内でのコンバージョンと収益を最大化する方法を模索していました。そこで同社は目標の達成に向けて、理想的なソリューションとしてCriteoアプリ広告のパフォーマンス広告を採用。Trendyolは消費者に合わせてカスタマイズされた商品レコメンドと関連性の高い広告を、最も価値の高い顧客の一部に向けて提供することにしました。

ソリューション

Criteoのモバイルアプリ内広告は、消費者のリアルタイムな行動データとTrendyolの商品カタログ、クリエイティブコンテンツを組み合わせて活用します。Trendyolのアプリ内キャンペーンでは、高度にカスタマイズされたダイナミックバナーがリアルタイムでユーザに表示され、各広告はTrendyolのROAS目標の達成に向けてコンバージョンを最大化できるように最適化されています。

成果

モバイル経由での取引が10%から24%に増加

アプリユーザは、ブランドが獲得できる最も価値の高い買物客に分類されます。しかし、それはユーザがアプリを継続的に利用していることが前提です。アプリリターゲティングを活用すれば、ブランドはアプリ利用のサイクル全体で買物客とのエンゲージメントを高めていくことができます。アプリリターゲティングは自社のアプリをユーザが再び利用するように誘導することによって、休眠状態のユーザとのリエンゲージメントにおいても、得意客に対するリピート購入の促進においても、商品の購入を完結させるのです。