色は世相を表す~2023年春夏のトレンドカラ

更新日 2023年04月25日

消費者の心理や気分=時代のムードを反映していると言われる流行色。今年の春夏は、どんなカラーがはやっているのでしょうか?各メディアや研究機関の調査結果から探ってみました。

まず、流行色の研究を行う一般社団法人日本流行色協会が発表した2023年の色は、「ルミナスイエロー」。光り輝くような明るい黄色です。

ルミナスイエロー(出典:一般社団法人日本流行色協会プレスリリース

ルミナスイエローを選んだ理由について、同協会では次のように述べています。

「ほんのりと光がたまったような、陽だまりのような明るいイエローを選びました。じんわりと色が沁み込んでくるような『ルミナスイエロー』。優しく穏やかで、希望を感じさせてくれる色です。淡く柔らかい色は不安で固まった心にも無理なく入っていき、そっと癒し、明るい気持ちにしてくれるのではないでしょうか」。

長引くコロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻、物価高、異常気象など不安が大きく、先行きの見えない日々が続く中、心がふっと軽くなるような、ほっと息がつけるような色が好まれる傾向にあるようです。

ファッション業界では、あまり主張しないパステルカラーが人気

一方、人気ファッションメディア「ELLE girl」が発表した2023年春夏のトレンドカラーは次の6色でした。

① マーガリンイエロー

文字通りマーガリンのような少し薄めの黄色。上記で紹介したルミナスイエローに近い明るい黄色です。ディオールやシャネルのショーでもマーガリンイエローのジャケットやスカートが披露されたのだとか。明るいながらも、決して派手な色ではないので取り入れやすいカラーです。

② ピスタチオグリーン

ここ数年、グリーン系のカラーの流行が続いていますが、今年特に注目を集めているのがピスタチオグリーン。少しくすんだ淡いグリーンは安心感のある明るいカラー。こちらも主張し過ぎないのでいつものファッションに取り入れやすいのが特長です。

③ スイートピンク

一般的なピンクに比べて派手さは控えめで、桃や桜の花を思わせるフェミニンな雰囲気の薄めのピンク。ファッションアイテムだけでなく桜のシーズンにはスイーツなど食品業界でも多用されそうなカラーです。

④ ピュアホワイト

混じりけのない真っ白なホワイトカラー。清潔感のある白は人気が高く、株式会社グラフィコが2023年春に行った調査で「相手に好印象を与えやすい、持ちやすい色は何色?」と聞いたところ、半数以上が「白」と回答。男女ともに「パートナーに着てほしい色」も白が最多でした。

⑤メタリックシルバー

光沢感のあるシルバーも今年のトレンドカラー。パリコレなどでも多用されたそうですが、一般人にはウェアとして着こなすのは難しい色。小物や靴、バッグなどに取り入れる人が多そうです。

⑥マルチカラー

ブルーにグリーン、オレンジにブラウン、レッドにパープルなど、複数の色を自由に組み合わせたマルチカラーも今年のトレンドに。引き続き、LGBTを象徴するレインボーカラーにも注目が集まりそうです。

パステルカラーの流行は景気回復の兆し?

ここまで見て来たとおり、日本流行色協会が挙げたルミナスイエローをはじめ、今年は基本的に、少しくすんだ淡いパステルカラーが人気のようです。

パステルカラーには柔らかく軽やかな印象があり、心身を和ませる癒し効果があると言われていますが、「色は世相を表す」の理論に照らし合わせると、パステルカラーの流行は何を意味しているのでしょうか。過去にパステルカラーが流行したのは1985年ごろから。その後1987年ごろからすぐにいわゆるバブル景気が始まったこともあり、パステルカラーの流行は景気回復の兆しとする見方もあるそうです。

真偽のほどはわかりませんが、見ていて気持ちが明るくなる流行のパステルカラーをトレンドカラーとして広告クリエイティブなどに活用してみる価値は十分にありそうですね。Criteoでは、目的や業種、地域別に多彩な広告活用例を集めた無料の広告ギャラリーをご用意しています。広告クリエイティブ制作のヒントにぜひお役立てください。

Criteo Ad Gallery